カクテルの「ベース」となるお酒を用意したら次は「リキュール」と呼ばれるお酒を用意しましょう。
「リキュール」で作るカクテルは色鮮やかなものが多いです。
馴染み深いカクテルとして「テキーラサンライズ」「カシスオレンジ」「カルーアミルク」「カンパリオレンジ」などが挙げられます。
居酒屋やカラオケ、カクテルをおいているレストランなどでも名前だけは目にしたことがあると思います。
色合いも綺麗でオシャレなのでインスタ映えにももってこいです。
そんなカクテルを自宅でも簡単に作ることができれば最高だと思いませんか?
今回はそんなカクテルのベースにもなる「リキュール」を紹介します。
道具編〜

スピリッツ編〜

~リキュールとは~

「Liqueur,(リキュール)」とは蒸留酒に薬草や香草、フルーツやナッツ等のフレーバーなどの副材料を加え、風味や色味を持たせた酒の総称のことを指します。
苦味や甘み、酸味などの味わいがあり、色合いもグリーンやブルー、パープルなど着色されていて綺麗な色合いのカクテルを作るのに必須です。
そのまま美味しく飲むこともできるものもありますが、カクテルの材料として使われることがほとんどです。
中には風味を生かしてお菓子作りの材料として使われることもあります。
リキュールの起源は古代ギリシャにまで遡り、醸造酒であるワインをベースに薬草なども溶かして薬酒として作られていました。
リキュールの起源は古代ギリシャの医師「ヒポクラティス」がワインに薬草を溶かし入れ、薬酒を作ったことが始まりと言われている。
現在のように蒸留酒をベースに作られるようになったのは中世に入ってからです。
当時はまだ薬酒としての意味合いが強く、錬金術師の手によって「生命の水(Aquavitaeアイクアヴィテ)」と呼ばれる蒸留酒が作られていました。
この蒸留酒に薬草を溶かし込むことでさらに薬効が高まると考えられおり、ラテン語で「溶け込ませる」という意味を持つ「Liquefacere(リケファケレ)」という薬酒がありました。
これが現在の「リキュールの語源」とされています。
大航海時代に入り、砂糖や香辛料などの輸入により甘いリキュールが作られるようになり、それによって薬酒としてではなく、嗜好品として広く飲まれるようになりました。
~リキュールの種類~

一口にリキュールといってもそれぞれ製法や材料が違うので、大まかに4つのフレーバーに分類されます。
薬草・香草系

出典:NomiLOG ハーブリキュールのオススメ銘柄まとめ【家飲み、カクテルに!】
薬酒として用いられてきた名残で、ほろ苦い味わいが多くリキュールの原点とされている系統です。
独特のクセがあるので好き好みは分かれてしまいますが、ほろ苦さが良いアクセントになるのでカクテルを作る際にも重宝します。
代表的なのが、「カンパリ」「イエーガー」「アブサン」があげられます。
カンパリ

出典:食楽web 人気再燃! イタリアの銘酒「カンパリ」を自宅で楽しむためのカクテルレシピ
薬草系リキュールの中で一番メジャーといっても過言ではなく、コンビニなどでも売っていますので、名前だけでも聞いたことがあると思います。
居酒屋とかでも「カンパリ・ビア」や「カンパリ・オレンジ」で親しまれています。
カンパリの原材料はビターオレンジをはじめとした、約60種類のハーブが使われています。
イタリアで生まれたカンパリの誕生は1860年と古くから親しまれてきました。
エキゾチックな苦味が特徴で、ソーダやオレンジとの相性も抜群で人気のリキュールです。
見た目は甘そうな味わいですが、苦味が効いているリキュールなので苦手に思う人もいるかもしれません。
イエーガーマイスター

ドイツ生まれのハーブリキュールで「ドイツの養命酒」と呼ばれています。
サフランやシナモン、恨生姜など約56種類の原料を使用したリキュールです。
体の調子を整える目的で飲用する方も多く、寝る前にお湯割りにして飲むと心地よく眠ることができます。
最近では、パーティードリンクとしてキンキンに冷やしたイエーガーをショットで飲むことが多い「イエーガーマイスター」ですが、カクテルとしても美味しく飲むことができます。
ショットで飲むときは、アルコール度数が35%もあるので飲み過ぎにはご注意を。
作り方もシンプルでジンジャエールやコーラなどのお好みのジュースで割るだけですので、簡単に作ることができます。
〜カクテル一例〜
「イエーガー・トニック」
「イエーガー・オレンジ」
「イエーガー・コーラ」
「イエーガー。ジンジャー」

アブサン

ヨーロッパを中心に作られている薬草系リキュールの一種で、主にニガヨモギ・アニスなどの香草を使って作られています。
ハーブの苦味や爽やかさがクセになるリキュールで、最後はほんのりと甘い口当たりです。
ストレートで飲むこともありますが、アルコール度数が高いので水割りやカクテルにして飲むのが慣れてない人にはおすすめです。
炭酸水で割って飲んだり、ジンベースのカクテル「ジンバック」のようにレモンとジンジャーエールで割っても相性は抜群です。
もしくはオレンジなどの柑橘系ジュースと割って、アブサンの独特な風味を和らげて飲みやすくなります。
有名な飲み方として、「ボヘミアンスタイル」というのがあります。
~アブサンボヘミアンスタイル

グラスにアブサンを注ぎ、その上に「アブサンスプーン」と呼ばれる穴の空いた専用のスプーンを被せる。
アブサンスプーンの上に角砂糖を置き、アブサンを角砂糖に少量かける。
角砂糖に火をつけて砂糖が溶けながらグラスの中に落ち、アブサンと混ざる様子を見ながら楽しむ。
最後に水を注ぐ。
火のついた角砂糖がゆっくりと燃え広がる様を見るのは、まるで魔法使いになったような気持ちにさせてくれます。
部屋の電気を消して魔術を取り行ってみましょう!
火の取り扱いには十分警戒しましょう。
果実系リキュール

果汁や果肉、果皮が原料として用いられ、フルーツの甘酸っぱい風味が特徴です。
カラフルな色合いなので、色合いが綺麗なカクテルを作りたい時に重宝します
従来の薬としてのリキュールではなく、嗜好品として使われているリキュールです。
香りが高く、カクテルだけでなくお菓子作りにも使用されます。
代表的なものに、オレンジの果皮を使用した「キュラソー」と呼ばれるリキュールや、甘いカクテルが好きな人にはたまらない「カシス・オレンジ」の材料である「クレーム・ド・カシス」があります。
キュラソー

一般的に「キュラソー」とは、オレンジの果皮を主原料に作られたリキュールの総称です。
基本的に無色透明で「ホワイトキュラソー」と呼んでいます。
ですが「ブルーキュラソー」や「レッドキュラソー」など着色して色をつけたものもあります。

キュラソーはブランデーや中性スピリッツをベースとして、香りが高いオレンジの皮やスパイスなどを加えて作られます。
カクテルは勿論、お菓子作りにも使われることが多く欠かすことができないリキュールです。
キュラソーは他のお酒との相性も良く「ブランデー」や「テキーラ」、「ジン」や「ラム」などのアルコール度数の高いお酒で作るカクテルの材料として使われえます。
また、着色された「ブルーキュラソー」や「レッドキュラソー」を使うことで、色鮮やかなカクテルが作れるようになります。
〜カクテル一例〜
「スカイ・ダイビング」
「チャイナ・ブルー」
「ブルー・レディ」
「ガルフ・ストリーム」
「ブルー・マンデー」

ホワイトキュラソーで作るカクテルを色のあるキュラソーに置き換えるだけで、別のカクテルを作ることができます。
色合いを考えて、自分のオリジナルカクテルを作るのも面白いのでおすすめです。
カシスリキュール

出典:DraftWineおすすめランキンじゃわからない!正しいカシスリキュール選び
お酒が苦手な人でも甘くて飲みやすいので、飲む方も多いと思います。
居酒屋などでも飲むことができる「カシス・オレンジ」や「カシス・ソーダ」などの定番カクテルの材料です。
そもそも「カシス」とはフランス語で、和名「クロスグリ」と呼ばれるストロベーやブルベリーなどのベリー系の果物のことを言います。
一口に「カシスリキュール」といってもさまざまな種類がありまあすが、こちらの「クレーム・ド・カシス」はスーパーでも買うことがきます。
クレーム・ド・カシスとはフランス語で「Crème de Cassis」と表記し、日本語で「カシスのクリーム」、クリームのように甘いカシスリキュールという意味になります。
口当たりも滑らかで、カクテルとしてだけでなく、バニラアイスに直接かけても美味しいです。
〜カクテル一例〜
「カシス・オレンジ」
「カシス・ソーダ」
「カシス・グレープフルーツ」
「カシス・ビア」
「キール」

これ一本用意しておくだけで、宅飲みやホームパーティーで活躍してくれること間違いなしです。
ライチリキュール

中国で紀元前から栽培されている「ライチ」を使ったリキュールです。とうあ
傾国の美女と謳われた楊貴妃が好んだとされる「ライチ」は「美の果実」とも呼ばれていました。
ライチには美肌作りに欠かせないビタミンCという栄養素が豊富であるので、老化や風邪、美容などの免疫が高まる効果がある。
上品な口当たりでエキゾチックなライチの香りが特徴です。
このリキュールにはオレンジやグレープフルーツといった柑橘系との相性は抜群ですので、ぜひご賞味ください。
ナッツ・種子系のリキュール

出典:Ton’s Come 意外と知らない「ナッツ」と「ピーナッツ」の違いについて
果実の種やアーモンドやクルミなどのナッツ系、コーヒーやカカオを使ったリキュールのことを指します。
比較的重厚感があり、甘みが強いのが特徴で、食後酒やお菓子の風味付けなどにも使われています。
カカオを原料とした「カカオリキュール」やアンズの核である杏仁を使用した「アマレット」、ココナッツを原料とする「マリブ」、コーヒーを原料とした「カルーア」などが代表的です。
カカオリキュール

出典:バッカス 甘くて美味しいお酒「カカオリキュール」おすすめ10選
ココアのような甘い香りと濃厚な甘さが特徴のリキュールで、食後酒やデザートのようなカクテルを作るに欠かせません。
原料となるカカオ豆はアフリカや中南米がよく知られていますが、カカオリキュールで使われるカカオ豆の産地はヨーロッパが主体です。
そのためヨーロッパ各地で多彩なカカオリキュールが製造されていますので、自分好みのリキュールを探して飲み比べをしても面白いです。
類似されているもので「チョコレートリキュール」というものもありますが、こちらは「カカオリキュール」には該当しません。

確かに原材料は同じカカオ豆ですが、「チョコレートリキュール」の場合、カカオリキュールにクリームを追加し、とろみがあるリキュールです。
牛乳で割るだけで簡単にカクテルができますが、氷を入れた「ロック・スタイル」で飲むのも美味しいです。
抹茶やオレンジジュースなどと組み合わせても美味しいですので、ぜひお試しを!
アマレット

出典:LIQUORS HASEGAWA リカーズハセガワ本店
イタリア生まれの琥珀色をしたこのリキュールはアーモンドや、ココナッツのような香りが特徴です。
原料としてアンズの種子である「杏仁」と呼ばれる核部分を使用しているため、「風味が杏仁豆腐」と言われたりもします。
もともと「アマレット(amaretto)」とはイタリア語で「苦い」という意味ですが、甘みが強くほのかに苦味が感じることがありますが、お菓子のように飲みやすい口当たりです。
カクテルとしてソーダや牛乳などで割って飲むことが多い「アマレット」ですが、香りや甘味をダイレクトに味わう「ロック・スタイル」で飲むのもおすすめです。
〜カクテル一例〜
「アマレット・オレンジ」
「アマレット・ミルク」
「アマレット・ジンジャー」
「ゴッド・ファーザー」
「ゴッド・マザー」

カクテルだけでなく、パンナコッタやパウンドケーキ、ティラミスなどのお菓子作りの隠し味として使われたりします。
また、コーヒーや紅茶にアマレットを数量入れて香りを愉しみながら体を温めることができるので、寒い夜の日に飲むのをお勧めします。
マリブ

ラム酒をベースにした「ライト・ホワイト・ラム」と呼ばれるココナッツの果肉を蒸留してできたリキュールです。
ココナッツの甘い風味が特徴で牛乳やオレンジジュース、コーラなどの相性が良く、さまざまなカクテルの材料として使われています。
ベースとなるラムはアルコール度数が高いですが、マリブ自体は比較的高くありません。
ソーダやソフトドリンクなどで割った場合、他のカクテルよりもアルコール度数は低くなります。
なので、カクテルに慣れていない人や、お酒にあんまり強くない人でもこのリキュールひとつ用意しておくことでカクテルを楽しめると思います。
甘くて飲みやすいカクテルが多いので、カクテルに慣れてない人や甘いカクテルが好きな人にお勧めです。
コーヒーリキュール

コーヒー主体のほろ苦さとバニラのような甘い飲み口が特徴で、コーヒー好きにはたまらないリキュールです。
コーヒーリキュールもたくさん種類がありますが、一番目にするのは「カルーア」です。
写真
出典:amiga テキーラだけじゃない!女子に人気のあのお酒も実はメキシコ発!
居酒屋などでも飲むことができる「カルーア・ミルク」の材料です。
これ一本用意しておくだけで、お家でも「カルーア・ミルク」を飲むことができるし、作り方も簡単なので宅飲みやホームパーティーでも盛り上がること間違いなしです!
作るカクテルによってはアルコール度数が高いものもあるので、「カルーア」で飲みやすいといえど注意しましょう。
コーヒーリキュールも、他のリキュールと同様でお菓子作りの材料としても使われます。
ビターでほろ苦い大人な味のスイーツを作ることができるので、リッチで大人な味わいのスイーツを作るのに最適です。
ホットミルクを使ってラテのように作っても美味しいですし、寒い季節には身も心も温まる一杯となります。
甘いカクテルが好きな人でもそうでない人でも楽しめる「コーヒーリキュール」は、おしゃれを演出するのに最適です。
ぜひ、ホームパーティーなどで用意しておきましょう。
その他リキュール

卵やクリーム、ヨーグルトなどのタンパク質や脂肪分を含む原料を使ったリキュールです。
これらのリキュールは技術進歩で製造できるようになり、一般的に作られるようになりました。
濃厚で甘味が強く、デザートのような味わいのものが多いです。
ヨーグルトを使用した「ヨーグルトリキュール」、クリームの「ベイリーズ」、卵を使用した「アドヴォカート」などがあります。
ヨーグルトリキュール
出典:LOOHCS ヨーグルトリキュールを使ったカクテル。美味しい飲み方は?
原料にヨーグルトを使用したリキュールで、ヨーグルト由来のほのかな酸味とコク、甘味を楽しむことができます。
ヨーグルト由来なので乳酸菌が豊富に含まれており、腸内環境を穏やかにしてくれる作用や美肌効果や免疫力upなどの作用があります。
食用のヨーグルト同様の健康効果があり、お酒を飲みながら健康に気を使うことができるので、一石二鳥です。
もちろん飲みすぎたりしたら元も子もありませんのでご注意を。
フルーツ系ジュースと相性が抜群なので、果実系リキュールやジュースを混ぜるだけで簡単にカクテルを作ることができます。
銘柄によって変わりますが、アルコール度数が10%以下の製品を選べばお酒に強くない人でもこのリキュールのカクテルを楽しむことができます。
アルコール度数が15%のものあり、物足りない人はそちらの製品を選ぶといいでしょう。
ヨーグルトリキュールと牛乳を1:1で混ぜて、大人のラッシーを作ってみても美味しいのでおすすめです。
ベイリーズ

出典:たのしいお酒.jpリキュールの美味しい飲み方【ベイリーズ編】
このリキュールは、世界5大ウイスキーに数えられるアイリッシュウイスキーをベースに、フレッシュなクリームやカカオ、バニラなどの香味を加えた、クリーム系リキュールです。
アイリッシュウイスキーがベースなので、原産国はアイルランドです。
原料もアイルランド原産にこだわっており、ベースのアイリッシュウイスキーも「地元の蒸留所で作られたものだけを使用する」、「生クリームも厳選された酪農家が育てた乳牛の生乳を使用する」などとこだわり抜いています。
甘いカクテルが好きな人はもちろん、ウイスキーが好きな人からも愛されていおり、クリーム系のリキュールの定番とされています。
食後に「ロック・スタイル」でゆったりと味わいをダイレクトに楽しんだり、バニラアイスに直接かけて楽しむのも人気です。
クリーム系のリキュールですが、あっさりとした甘味とまろやかな口当たりで、食後のひとときやナイトキャップにもぴったりです。
就寝前に酒を飲む習慣やそのときに飲む酒自体をナイトキャップ (寝酒) という。カクテルの分類のうち、寝酒として相応しいとされているカクテルを「ナイト・キャップ・カクテル」として分類することがある
寒い冬の夜に温めたミルクで割った「ホットベイリーズミルク」はおすすめです。
甘いカクテルがお好きな方、ぜひ一度飲んでみてください。
アドヴォカート

ブランデーをベースにしたリキュールで、卵黄もしくは全卵と砂糖、香料などを使えたオランダ生まれのクリーム系リキュールです。
口当たりも優しくて、カスタードクリームなどのスイーツのような味わいです。
アドヴォカートとはオランダ語で「弁護士」を意味しており、飲むことで饒舌になることからそう名付けられました。
アルコール度数15%ほどで、飲みやすく甘いリキュールなのでついつい飲みすぎてしまうかもしれないので注意しましょう。
他にも食後にデザートのように楽しみたい人で、お酒に強くで甘いのが好きな人には、ストレートやロック・スタイルで味わいを楽しむのもおすすめです。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
リキュールを揃えるとカクテルのバリエーションが一気に増えます。
手軽に作れるカクテルから、本格的なカクテルまで、幅広くカクテルを作れるようになります。
ベースのお酒だけでは作ることのできない色合いや風味を引き出すのがリキュールです。
カクテルの鮮やかな色合いを作るのにリキュールは必要不可欠ですので、少しずつ自分が作りたいカクテルに合わせて、揃えていきましょう。
「カシス・オレンジ」や「カルーア・ミルク」などといったお馴染みのカクテルをホームパーティや宅飲みで作ることができれば、盛り上がること間違いなしです。
今度の飲み会は思い切ってリキュールを揃えて、自宅をBARにして雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか?